2018.08.22
インターネットの発達によって産業構造が大きく変化している時代の中で、経営に求められるものも同様に大きく変わってきています。そんな中、注目を集める次世代経営者の方々はどのような考えでイノベーションを起こそうと努力されているのでしょうか。
2017年12月に北海道帯広市にて開催を致しました「ファームノートサミット2017 Winter」にて、有限会社一平(九州パンケーキ)村岡代表と株式会社BAKE 長沼会長にそのお考えや目指すビジョンについてお話を伺ったパネルディスカッションです。
有限会社一平 代表取締役 村岡 浩司 氏
株式会社BAKE 会長 長沼 真太郎 氏
株式会社ファームノートホールディングス
代表取締役 小林 晋也
<長沼氏>
たぶんいいものでも、そのプロダクトだけが良くて、それを見せるまでのプロダクト開発ができていないのではないでしょうか。
パッケージ、WEBサイト、あとは店舗などの商品周辺もしっかりやらないといけないんです。そして伝えるためのSNSのコンテンツとか、商品だけじゃないコンテンツへの投資が弱いんではないかなと。それはストーリーづくりもそうですけど。
<モデレーター:小林>
結局パッケージがいいとかって顧客体験じゃないですか?手に取ってみたときに「わぁっ!」とか店舗で見たときに買ってみよう、とか。そういう体験づくりって結構意識してるんですか?
<長沼氏>
意識しています、そこが肝だと思っています。ストーリー作りを含めて、お菓子の場合は半分以上がそこだと思っています。買うときのワクワク感とか。
<モデレーター:小林>
これ、6次化のヒントになるんじゃないですか?
<長沼氏>
はい、あとはもうひとつ。我々って出店場所を超一等地に絞り込むんです。本当に一番トラフィックがあるところ。一等地に出すには、ある程度リスクも必要なんですけど、何か売る時に何かリスクは背負わなければいけないと。でないと、そもそもスタートダッシュできないと思っているんで。中途半端ではなくて、ある程度リスクをとって前に出るということです。
<モデレーター:小林>
村岡さんどうですか?
<村岡氏>
国とか行政がやっている海外商談会に参加するってちょっと逆じゃないですか?
大事なことはしっかりと意識をもってブランドをつくっていきながら、自分たちの考える戦略通りにコトを進めていくっていうことでしょう。その過程でパートナーとの出会いの機会をしっかりと設計してくことが大事。ある時にはポテンシャルのあるパートナー候補がアプローチしてくるのをしっかり待って、自己責任でフィルターしていくっていうことでしょ?
行政の行う輸出商談会に参加して、例えば1年間に1回とか2回、みんなで海外のフェアとかに出て行っても、ブランドを育てるもっとも大事な要素である「共感」を伴う出会いはそこには無いと思います。
向こうのバイヤーにとっては僕らはワンノブゼムになっちゃいますよね?モノを売るということであればアリだとしても、僕のようなタイプだと商談会での出会いの可能性は極めて低いと感じています。
だって全国47都道府県、約2,000の自治体が全部同じバイヤーさんを目がけてやってくるわけですよね。その中の一人になってしまう。こちらが真ん中にいて、向こう側の人たちをちゃんとフィルターしていく。一見逆に聞こえるアプローチだけど、考えてみたら当たり前ですよね。
例えばタリーズのブランドが欲しければシアトルに行くし、BAKEの原点を知りたければ北海道に行って会社見に行くしっていう、基本の行動ができるパートナーでなければ続かないような気がします。本当に「共感」を伴った出会いは一見では無理。
<長沼氏>
むしろ自分たちで行っちゃうと条件が厳しくなるんですよ。
<モデレーター:小林>
そうか、なめられる?
<長沼氏>
なめられるんですよ、全然商売にならない条件になっちゃうとか。一番ベストはやっぱり来てもらって、強気で交渉していい条件でっていうのがオススメではあります。
<モデレーター:小林>
来てもらうためにはどうすればいいかを考えようっていうことですね?
<長沼氏>
日本でまずは支持されるっていうのが一番必要だと思います。
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