導入事例

とかち村上牧場様(北海道上士幌町)

「Farmnote Colorの疾病疑い通知機能の利活用もあってか、重篤事故率は導入前の30%から導入後20%に改善をしています。 」

サムネイル添付

弊社製品のご導入以前の課題は?

「牛舎が敷地内に点在しており、データの一括管理ができない課題がありました。」

父親から経営を引き継いだ当初は、紙の台帳に繁殖メモのような形で管理していたのですが、頭数が増えてきたのでパソコンを取り入れてエクセルと台帳で管理するようになりました。しかしそれでも手に負えなかったため、他社の牛群管理ソフトを見つけて導入し、それを4~5年ほど利用していました。ただ、当時その製品はクラウド化されておらず、データの一括管理もできないことが難点でした。うちの牧場は牛舎が敷地内に点在しているため、牛舎間で牛を移動させる時などは、個体データを自分で一度NAS(注1)に上げて、またそのデータを端末に取り込むというような手間が掛かっていました。

注1  Network Attached Storage の略。ネットワークに接続して利用する外付けハードディスクのこと。

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-弊社製品導入のきっかけは?
雑誌の記事か何かでファームノート社の存在とクラウド牛群管理システム「Farmnote」、センサーデバイス「Farmnote Color」のことを知り興味を持ちました。その後、帯広で開催されたファームノートサミット(イベント)に参加させてもらい、営業の方のお話を実際に聞いて、Farmnoteの導入を決めました。

発情発見機の必要性は認識していたので、Farmnote Colorの方もすぐに導入したかったのですが、うちの牧場では繋ぎ牛舎とフリーストール牛舎を併用する特殊な飼養形態をとっており、当時Farmnote Colorは繋ぎ牛舎に適応していなかったこともあって一旦は導入を見送りました。その後、繋ぎ牛舎対応が決まったタイミングで導入に至っています。

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-ご導入の決め手は?
Farmnote導入に関しては自力でシステムを構築するよりも安いし、そもそも構築することもできないので導入を決断しました。

Farmnote Color導入の決め手になったのは、反芻量のデータが見えるところでした。正直なところ、搭載機能が発情検知だけであれば業務効率化ツールとしては少し弱いかなと思っていたのですが、発情だけではなく反芻データも見ることができると聞いてコストパフォーマンスの高さと利用価値を感じました。発情は月1回のことですが反芻は毎日のことで、牛の活動の中でも注視すべき部分。それを機械が24時間365日見てくれるのだから元は十分にとれると思いました。

あとは、ファームノート社が地元の企業であることが大きかったです。製品の性能だけでなく、コミュニケーションの取りやすさも決め手になりました。

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ご導入による効果は?

「人が今まで気づかなかった事実に気づかせてくれると同時に、安心感を与えてくれます。」

実際に使用された使い心地や効果は?
Farmnoteはパソコンだけでなくスマホやタブレットでも使えて、場所を選ばずいつでもどこでもデータを見れるところが一番のメリットだと感じています。全ての端末上でデータが同期されて常に最新情報を共有できるのも便利です。また、Farmnote導入前は自分が一人でデータ入力を行い、その作業に1日30分は掛かっていましたが、今はスタッフにもある程度まで入力してもらっているので作業負担が減りました。

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Farmnote Colorの方は、24時間常に牛の様々な活動を検知してくれることの有難さを感じています。
人間の労力では24時間牛をモニタリングするなんて、たった1頭でさえもできません。Farmnote Colorはそれをやってくれ、人が今まで気づかなかった事実に気づかせてくれます。それと同時に、安心感を与えてくれることもメリットだと言えます。
人工知能による客観的な数値や分析が常に得られるということは、判断において軸にできるものがあるということなので、日々の仕事における安心感が違います。これは経営者に限ったことではなくて、たとえ経験の浅い若手のスタッフでも同じです。数値を確認することで正しい方向にいってるな、これで良かったんだと自分の仕事に自信が持てるようになると思います。


それに、
年配者が自分の経験を裏付けにして若い世代に意見を述べても、それはあくまでも主観として受けとられてしまいがち。一方、人工知能が示す数値は客観的なので説得力が違います。また最近はうちの牧場でも酪農未経験者の就労が増えていますが、未経験者に酪農家としての感性をそのまま引き継ぐことは難しいでしょう。その代わり、彼らはFarmnote ColorやFarmnoteを使うことで牛群管理のノウハウやロジックについて学ぶことができるはずです。


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-製品をうまく活用するコツは?
うちの牧場では毎朝反芻量の数値をチェックして、数値が下がっている牛をピックアップします。疾病疑いを知らせるアラート機能もあるので、そちらと併用で牛の健康状態を見ています。一般的に、反芻のような目安となる数値が得られない場合、乳量を健康状態のバロメーターにしますよね。確かに乳量が多いということは健康であるということでしょう。でも何か体調に問題が生じた時に、搾乳時にしかわからないので半日くらいタイムラグがあって乳量が下がり、ようやく異変に気付くことになります。それだとちょっと遅いですよね。一方、反芻は反応が早いです。Farmnote Colorを導入して改めて分かったのですが、体調に異変があるとすぐに反芻量の数値に変化が表れます。一時間ごとに下がるぐらいに明らかなので、その後の判断や対処が早くなります。

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ちなみに、Farmnote Colorの活動低下通知機能による発見精度は、現在のところ約5割くらいで発展過程です。(※取材当時)ただし、通知の方が人間よりも早い時が確かにあるので有難いです。
疾病発見が半日でも違えば、それで助かる命もありますから。疾病の重症化を防ぎ、廃用率・死廃率を下げることで収益の向上につながると考えています。実際、Farmnote Colorの活動低下通知機能の利活用もあってか、重篤事故率は導入前の30%から導入後20%に改善をしています。


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(画像)村上副代表が個体毎に記録している病歴と撮影画像


-導入されていない方へメッセージはありますか?
例えば家族経営の場合、総飼養頭数200頭を超える時期や自分達だけでは牛を見れなくなってきたと感じ始めた時が、Farmnote/ Farmnote Color導入のタイミングだと思います。また、若い後継者がいる牧場経営者の方には、未来のために積極的にチャレンジをしてみてほしいですね。それから乳検を受けている牧場さんの場合は、乳検データを可視化・分析して有効活用するためにもFarmnoteを導入するといいと思います。

機械に任せられる部分は任せ、人間は人間にしかできない仕事をした方がいいというのが私の考えです。働き方改革に注目が集まっていますが、労働力不足の課題を抱える酪農の世界でもそれは同じ。今後は人工知能の精度もどんどん上がり、将来には酪農経験がない人でも牛の管理ができるような時代になると思います。そういう意味でもFarmnote/ Farmnote Colorはこれまで高かった酪農の敷居を下げ、課題解決に一役買う存在だと思います。

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やる気のある方がいらっしゃいましたら、ぜひお問い合わせをお待ちしております。
http://www.murakami-ranch.com

(終)

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会社紹介

会社名 とかち村上牧場様(北海道上士幌町)
従業員数 16名(取材当時)
本社 北海道河東郡上士幌町

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