2018.07.21
株式会社ファームノート プロダクト開発チーム
獣医師 平 勇人
牛の反芻をモニタリングする重要性とともに、今まで漠然と観察されてきた反芻行動を可視化し、過去の平均反芻量との比較検証することの意義、飼養管理における活用方法などをご紹介します。
酪農・畜産どちらにおいても生産性や収益に直結する「牛の発情と体調変化の発見」。
目視だけによる牛の管理には限界があり、生産者の方からは発情兆候の見落としによる機会損失を減らしたいという要望の声や、牛の健康状態・体調変化の早期発見を望む声が多くありました。
生産者の方々を悩ませる、この収入と損益の課題に対して貢献ができるソリューションの提供を目指し、開発されたのが「Farmnote Color」です。
牛の首に装着するウェアラブルデバイスに内蔵された3軸の加速度センサーで牛の行動データを取得し、そのデータをクラウド側の人工知能が解析。「活動・休息・反芻」の3つにデータを分類します。
解析・分類したデータをもとに、発情兆候のお知らせや牛の健康状態への気づきを与えるものとなります。
牛群移動や餌の変更など飼養管理を変えた後に、牛にどのような影響が起きているかをFarmnote Colorの反芻量データから読み解くことができます。
例えば以下のグラフは牛群移動による牛の体調変化を反芻量データとともにあらわしたものです。牛群移動により、対象牛の反芻量が減少した後に体調が悪化しています。
幸い、体調変化を早めに発見できたこともあり大事には至らなかったものの、目視で気がつく前に反芻量には変化が起きていることがお分かりいただけますでしょうか?
反芻量データは、体調変化の早期発見や餌の食い込み落ちの原因を探るなど、飼養管理の判断材料として役立ちます。素早い治療や管理変更で廃用リスクを抑え、牛群全体のパフォーマンスや生産性の向上につながります。
是非この機会に、Farmnote Colorによる反芻量データを活用した飼養管理をご検討されてみてはいかがでしょうか?
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