【全3回】反芻時間のモニタリングと評価が牛群の生産性を上げる②

<連載第2回:反芻時間が短期間のうちに大きく変化する分娩前後の事例>

株式会社ファームノート プロダクト開発チーム
獣医師 平 勇人

牛の反芻をモニタリングする重要性とともに、今まで漠然と観察されてきた反芻行動を可視化し、過去の平均反芻量との比較検証することの意義、飼養管理における活用方法などをご紹介します。

<1つ前の記事はこちら>

反芻時間が短期間のうちに大きく変化する分娩前後

図2はJournal of Dairy Scienceに掲載の論文から引用したグラフです。
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(図2)


このグラフに示されている●の折れ線データは分娩前後を通じて疾病記録がなく健康であった牛、■の折れ線データは分娩後に血液検査によってケトーシスと診断された牛、▲の折れ線データは分娩後に血液検査によってケトーシスとして診断され、さらに別の疾病を併発した牛それぞれの反芻時間です。

この論文では健康牛と疾病を発症した牛を比較すると、分娩前1週間から分娩後2週間までの間で反芻時間に有意な差があったことが報告されています。

健康牛は分娩前2週間から分娩後4週間の反芻時間の平均が1日あたり459分であったのに対し、ケトーシスと診断された牛では1日あたり25分短く、ケトーシスと何らかの疾病を発症した牛では44分ほど短かったことが報告されており、特に分娩前1週間から分娩後2週間ではその差がさらに大きくなっています。

ここで、ポイントになるのは分娩後に健康状態が悪化した牛(この論文ではケトーシス)は、分娩前から反芻時間が減少している傾向があるということです。これは分娩後に疾病発症リスクが高い牛を、分娩前の反芻時間モニタリングから事前にピックアップして予防処置をとることが可能になるということを意味します。

健康状態の悪化から乳量低下や繁殖成績の低下といった生産性の低下に至り、最悪の場合は廃用となってしまう牛を早い段階で発見し、救えるかもしれないということです。

Farmnote Colorによる反芻モニタリング事例

図3、図4は某牧場においてFarmnote Colorによる反芻時間モニタリングと事後の振り返り検証を行った事例となります。

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(図3:分娩後に乳房炎を発症した事例)



図3の牛は分娩前からの反芻時間の継続的な低下を示しており、分娩後5日目に乳房炎の診断と治療が行われています。

分娩直後に発症する乳房炎の多くは乾乳期に既に感染していることが知られており、そのような牛では乳腺が活性化し乳生産が開始する分娩前1週間頃から原因菌の活動も活発になり、健康状態に影響を与えた結果、このように反芻時間の低下として現れていると考えられました。


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(図4:分娩後ケトーシス、第四胃変位を発症した事例)



図4の牛も同様に分娩後の反芻時間の回復も芳しくなく、分娩後18日目にケトーシスと診断され、分娩後19日目には第四胃変位の手術を受けています。

ここに示したものはあくまで一部ですが、Farmnote Colorによって収集された反芻データを分析していると、このような事例は多く見られます。

分娩前の反芻時間をモニタリング・評価することで、分娩後に健康状態が悪化するリスクの高い牛としてピックアップし、予防的な処置を農場の業務に組み込むことが可能となります。

このように、人の目には気がつかない段階で反芻時間には変化が現れており、少しでも早くその変化を見つけることが飼養管理において重要となります。そして反芻時間のモニタリングと評価に向けて、人力では不可能な反芻データ収集にFarmnote Colorが有効となります。

<連載第3回:牛の反芻と発情兆候が見えるセンサーデバイス「Farmnote Color」とは>【終】

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