2018.08.22
昨年12月に北海道帯広市にて開催を致しました「ファームノートサミット 2017Winter」ですが、ご来場を頂けなかった方々からのご要望にお応えし、一部の講演プログラムの内容を連載形式にてご紹介したいと思います。
インターネットの発達によって産業構造が大きく変化している時代の中、経営に求められるものも同様に大きく変わってきています。そんな中、注目を集める次世代経営者の方々がどのような考えでイノベーションを起こそうと努力されているのか、そのお考えや目指すビジョンについてお話を伺ったパネルディスカッションです。
有限会社一平(九州パンケーキ) 代表取締役
村岡 浩司 氏
株式会社BAKE 会長
長沼 真太郎 氏
株式会社ファームノートホールディングス
代表取締役 小林 晋也
<モデレーター 小林 晋也(以下、モデレーター:小林)>
会場の皆さまお疲れ様です。
それでは、第2セッションをはじめさせていただきます。
本プログラムのテーマは「革新を創造する。 次世代経営者とビジョン」ということですが、パネラーのお二方に共通していることがあります。それは、農業生産者の方々が作ったものに大きな付加価値をつけて事業を行っているという共通点です。
今日はどのような付加価値をつけ、どのようなビジョンで経営を行っているのか。深堀をして聞いていきたいと思いますので、最後までよろしくお願いします。
まずはベイクの長沼さんから、自己紹介をお願いしたいと思います。
<長沼 真太郎 氏(以下、長沼氏)>
皆様はじめまして、ベイクの長沼と申します。
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株式会社BAKE 会長 長沼 真太郎 氏
1986年北海道札幌市生まれ。2010年に慶應義塾大学商学部を卒業後、丸紅株式会社の菓子食品課にて流通菓子の国内営業業務などに従事。 2011年に同社を退社し、父の経営する「株式会社きのとや」に入社。 2012年、新千歳空港店の店長となり、大ヒット商品「焼きたてチーズタルト」を開発。 2013年、株式会社BAKEを創業し、代表取締役社長に就任。 2017年8月、株式会社BAKE会長に就任。2017年には日本イノベーター大賞 優秀賞受賞。
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もともと札幌出身なんですけれども、大学から東京に行きまして、いろいろ経て4年半前に株式会社ベイクという工房一体型のお菓子屋を原宿で創業しまして、現状では工房一体型の店舗を国内外に70店舗弱くらい展開(注:イベント当時)しています。そのうち半分以上は海外で展開している会社です。
我々理念として、おいしいお菓子をつくりたいと思っています。
おいしいお菓子を作るためには3つポイントがあるという風に信じてまして、1つ目はどこよりもおいしい、そして価値のある原材料を使うということ。そして2つ目が、お菓子を作るときにひと手間をかけること。
通常であれば大量に作ろうとすればするほど手間を省いていくんですけど、ひと手間をかけることがおいしさにつながると信じています。例えば我々はチーズタルトを売っているんですけど、チーズタルトであればクッキー部分を通常であれば1回焼くところを、2〜3回焼く。そういうひと手間が格段においしいお菓子をつくる。
そして最後が、限りなくフレッシュなお菓子を提供する。
焼いたのであれば10秒でも20秒でも早くお客様に手渡しする。それが間違いなくおいしいお菓子になる。誰が作るとかではなくて、その仕組みを作ることが一番重要だと。
それを極めると間違いなく最高のお菓子になるということで、ひとつのブランドでひとつの店舗でひとつの商品に絞り込んだシンプルな展開をしています。
本店は東京・自由が丘なんですけど、ある程度大きい店舗ですがチーズタルト一本に絞りこんで、お店の中でチーズタルトをつくってフレッシュな状態でやっています。
全国、海外とあらゆるところでやっているんですけれども、全部工房一体型、且つ店舗でひとつの商品しかない。ブランドとしては、チーズタルト・シュークリーム・アップルパイ・バターサンド・どら焼きと、一つのブランドでひとつの商品なのでそれぞれのブランドが紐づかないようにしています。それぞれのブランドで、際立ったブランドづくりをやっています。
日本を含めて9か国(韓国、香港、シンガポール、台湾、中国、インドネシア、タイ、ベトナム)でいろんなブランドを展開をしていることですが、全て共通しているのはできる限り北海道の素材を尊重して使って、北海道発というのを売りにして、海外に展開をしています。よろしくおねがいします。
(会場より拍手)
<モデレーター:小林> ありがとうございました。では村岡さん、よろしくお願いします。
<村岡 浩司 氏(以下、村岡氏)>
会場の皆様はじめまして、村岡と言います。
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有限会社一平 代表取締役 村岡 浩司 氏
宮崎大宮高校卒業後、米国に留学。 多数の飲食店店舗を経営する一方、様々な地域貢献活動や食を通じたコミュニティ活動にも取り組んでいる。地産プロダクト「九州パンケーキ」は、アジア全域でのグローバルブランドとしての展開を目指す。 『第1回地場もん国民大賞』金賞/『第1回九州未来アワード』大賞/EOY2017 Japan九州地区予選ファイナリスト。カンブリア宮殿、夢職人、日経プラス10、日経ビジネス他、メディア出演多数。ローカルイノベーター55選、日本を元気にする88人(フォーブスJAPAN)に選出。
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九州の全県から、ひとつずつ素材を集めてパンケーキミックスをつくっています。
言葉よりも動画を見てもらった方が早いと思うので、こちらをご覧ください。
発売してから、今ちょうど5年目になりました。
僕らの場合はご自宅で楽しむ笑顔の時間をご提供したいということで、家庭用のパンケーキミックスをつくってまして、全国で3,000店舗くらいのスーパーマーケットで販売をして頂いております。また、九州パンケーキカフェというカフェの展開も行なっておりまして、宮崎の本店以外に佐賀県の武雄市など、九州内に数店舗あります。
基本的にカフェは国内では九州から出ないつもりなのですが、海外では台湾とシンガポールでの展開も行なっておりまして、来年からはアジアのほか、ヨーロッパにも進出していく予定です。よろしくお願いします。
(会場より拍手)
<モデレーター:小林>
ありがとうございます。それでは、さっそくセッションに入りたいと思います。
今日は次世代経営者とテーマで言っていますけれども、経営のあり方がどんどん時代とともに変わってきているんじゃないかなと思っています。
ただ、お二人に共通しているのは全く新しい価値を生み出すということにチャレンジしていることかなと思っていまして、何故チャレンジしようと思ったの?という、そもそも事業をおこしたきっかけを、まずは長沼さんからお聞きしたいと思います。
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