導入事例

有限会社 北広牧場様(北海道上川郡)

国内のツールで唯一牛の繁殖状況を正確に把握でき、従業員のモチベーションも向上させてくれるFarmnoteは、我々の牧場経営には必要不可欠です。

サムネイル添付

ファームノートを使ってみて

「牛の繁殖データをかんたんに、深く細かく分析できるので助かっています」

112701.jpg「スマートデバイスで現場で入力したデータがPCにも反映。レポート分析機能も」

Farmnote導入の経緯を教えてください。
最初にFarmnoteを知ったのは、2014年3月に参加した第1回目のファームノートサミットです。でも実はその時は、メガファームで使用するにはまだまだ機能不足だなと、Farmnoteにあまり魅力を感じなかったんです。
しかし、2015年冬の第3回目のファームノートサミットで説明を聞いた時に、全然別物になっていると驚きました。後日当牧場でさらに詳しく説明していただき、これなら私たちの牧場でもしっかり活用できると判断しました。
導入前に検討された点を教えてください。
それまで牧場の牛に関するデータ管理は私一人で抱え込んでいたのですが、今後のことを考えると誰が休みでも誰が当番でも牧場のデータがわかる状況を整えたいと考えていました。また、牛の繁殖管理においてもっと細かい分析ができるツールはないかと悩みを抱えていたんです。そんな時、Farmnoteの説明を聞き、みんながデータを打ち込めるし、いつでもどこでも共有・閲覧できるところがすごく便利だと思って2015年冬に本格導入しました。
112702.jpg「牛の目の前でデータをタッチ操作で入力。すぐに共有ができる。」
実際にご使用になってみて使い心地はいかがですか?。
私が当牧場の繁殖を任された時、数値管理の重要性をすごく感じました。しかしそれまで使用していた繁殖管理ソフトでは自分で計算しなければならない部分が多いこともあり、分析にかなり時間を要していました。それがFarmnoteを導入してからは早くかんたんに、深く細かい分析ができるようになったのですごく助かっています。
まだ導入して1年ほどですが、これからどんどんよくなっていくんじゃないかなと、今後が楽しみですね。
具体的にお気に入りの機能は?。
妊娠率が計算できる点です。これは国内の牛群管理システムで唯一、Farmnoteだけが実装している機能で、とてもありがたいです。
なぜなら牛の繁殖状況は牧場経営に直結する最重要事項で、妊娠率はその繁殖状況の良し悪しを判断する重要な指標だからです。妊娠率を手動で計算するのは到底不可能。しかしFarmnoteなら自動で計算されて、現在の繁殖状況=経営状況が可視化されます。
細かなデータ抽出が可能で、牧場内の成績が良い牛や、足を引っ張ってしまっている牛がすぐに把握できる点もお気にいりです。
また、Farmnoteは頻繁にバージョンアップされるのがおもしろいですよね。次はどんなふうに改善されるんだろうという楽しみがあります。
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「妊娠率など、データが見えることでスタッフの仕事のモチベーションも向上」
従業員の方の評判はいかがですか?
Farmnote上でどんな種類のデータでも数値として見えることで仕事のモチベーションが向上し、経営に参加しているという意識につながっているじゃないかなと感じています。
従業員の中にはFarmnoteに牛のいろんなデータを打ち込む作業が楽しくて仕方がないという者もいるんです。牛の情報がどんどん集約されて、1つのストーリーができあがるのが楽しいという感じです。経営側としてはそれだけ仕事に真剣に取り組んでもらえるととてもうれしいです。これもFarmnoteを導入してよかったと強く感じる点です。
112704.jpg「Farmnoteにデータを打ち込み見える化するのが楽しくて仕方がないというスタッフも」

北広牧場様の取り組みについて

「『牛も人も健康に』を理念として、牛にも人にもストレスのない環境を。」

112705.jpg「繁殖管理の努力の成果で、妊娠率も向上中」

北広牧場様の経営理念や事業内容を教えてください。
北広牧場は1996年、それぞれ個人で牧場を経営していた地域の4つの酪農家が合併して1つの法人牧場となった牧場です。合併して法人化した理由は、所得の安定と作業の効率化でゆとりある酪農を実現するためです。大黒柱が倒れたら牧場の運営が難しくなってしまう懸念があったため、そうならないように、誰か1人が倒れても、組織として持続できる体制を作ろうと法人化したわけです。
北広牧場という社名の由来は、4つの酪農家が新得町内の「北新得」と「広内」という地区で牧場を経営していたからです。新得町の酪農家は代々とても仲がよく、地域と共に生きるという意味も社名には込められているんです。
理念は「牛も人も健康に」。おいしい牛乳を搾るためには健康な牛を育てることが基本ですが、牧場で働く人の健康も重要だと考えています。酪農の現場では、長時間労働など厳しい労働環境になりがちですが、それを少しでも緩和するために当牧場では年間休日100日を確保しています。
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「ストレスのない環境なので、牛がごろりとリラックスして寝転んでいる」
牧場運営において特にこだわっていることはどのようなことでしょう。
全ての農場作業において、牛にストレスをかけない、という点にこだわっています。
日々の変化に牛は一番ストレスを感じるので、牛舎環境を清潔にすることはもちろん、TMRという牛の餌づくり、給餌時の水分含量の変化まで毎日気にしています。
牛群移動の際も、1頭ではなく2〜5頭で移動させています。転校生が寂しい思いしないようにするのと同じ配慮です。牛群にもヒエラルキーがあるので。
また内部だけでなく外部の方とも様々な協力をしてよりよい牧場づくりに取り組んでいます。具体的には、GMSという交配プログラムを活用したり、普及員の方々と共に私達の要望を取り入れた餌の設計をしたり、開業獣医のエコーを使用したフレッシュチェック(分娩後の子宮状態チェック)や早期妊娠鑑定を導入するなど多岐に及びます。自分達の力だけで牧場が成り立っているのではないと、感謝しています。
112707.jpg「人工授精や授精卵移植の資格を取得し経験を重ね、妊娠率は上昇中」
繁殖管理について教えてください。
繁殖管理の面では、Farmnoteでの妊娠率の管理ももちろんですが、当社では6年前から私たち自身で牛の人工授精を行っています。牛の授精はタイミングが命。こまやかな繁殖管理は牛をより健康に保つことに繋がります。
努力の甲斐があり、牛の妊娠率が飛躍的に向上しました。もちろん始めからうまくいったわけではなく、最初の2年間は試行錯誤の期間でだいぶ苦労もしましたが、3年目からは受胎率は右肩上がりです。
以前は病気や寿命などで死んでしまう牛の方が新たに導入する牛よりも多く、1年に5~10頭買ってこなくては牧場経営を維持できない状況でした。それが今では母牛が仔牛をどんどん産んでくれるので、頭数が年々増加。購入する必要がなくなったばかりか、余剰な牛を市場に販売し、よりよい牛ばかりが厳選され牛群レベルが向上しました。妊娠率の向上は、牧場経営にはとても重要な要素です。
今、特に力を入れている取り組みはございますか?
今年から社内環境を向上させるため、農場HACCPの考え方を取り入れた組織づくりに取り組んでいます。よりよい牧場運営を目指し、衛生管理含めすべての作業をマニュアル化して社内で共有。週に1度、ミーティングを開催して従業員みんなで話し合い、PDCAサイクルをうまく回して業務を継続的に改善しています。スタッフの業務達成度をチェックする制度の運用や、その際の課題のヒアリングなどスタッフとの協力体制にも力を入れています。
こうした取り組みは農場HACCPの認証を受けることが最終的なゴールではなく、従業員のモチベーションや衛生管理の意識の向上を狙って始めたのですが、その効果は確実に現れてきていると感じています。

今後のビジョン

「酪農を一生の仕事にしたいと思える、モチベーションと労働環境の改善に尽力していきたい」

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今後Farmnoteにどのような進化を求めますか?
機能的には満足しているので特にはありません。
現在でもファームノートサミットや交流会など、定期的に酪農家が繋がれる場を作っていただいているのですが、今後はもっと増やして、御社が中心となってより酪農家の繋がりを強化してほしいと思います。TPP問題などで、ときに日本の農業は暗いイメージに覆われることもありますが、つながりを強くして1つにまとまることで様々な可能性が広がると思います。
今後のビジョンをお聞かせください。
4月には北広牧場のFacebookページを作ってSNSを利用した牧場の情報発信を始めました。酪農業はとても魅力的な仕事だと思うので、それを消費者の方々に知ってもらいたいとの思いからです。
今後は酪農体験やファームステイなどの取り組みを積極的に行って、消費者と酪農家とのふれあいを充実させていきたいです。
そして、労働環境をさらに向上させたいですね。年間休日100日の確保だけではなく、気持ちの面でも酪農を「一生かけてやりたい仕事」と思える環境づくりをしていきたいです。
そのためにも消費者と直接ふれあい、牛乳や乳製品を食べて美味しいと言ってもらえる機会を作っていきたいです。
父世代が20年間築きあげてきたものに甘えるのではなく、応用して発展させ、新しい酪農のかたちをつくって行きたいと考えています。

(終)

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会社紹介

会社名 有限会社 北広牧場様(北海道上川郡)
創業 1996年
従業員数 13名(2016年11月時点)
本社 北海道上川郡
事業内容 酪農業、生乳の生産

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