ファームノートを使ってみて
「特に便利なのが個体リスト。もはやこれなしでは牛の管理はできません」
「牛の目の前で入力し、データが見れるのがFarmnoteの特徴。(可愛がられているので牛も人懐こい)」
- Farmnote導入の経緯を教えてください。
- 2016年4月頃にFarmnoteの営業スタッフからFarmnoteに関するパンフレットをもらったことが最初のきっかけです。それを読んで直感的に使えそうだなと思い、その日のうちにアカウント登録しました。
- 「ファームノートHPからかんたんにアカウント登録できます」
- 具体的にどのような点が魅力だと感じたのですか?
- Farmnoteを導入する前、牛の各種データの管理は私と経理担当の母が別の管理ソフトとエクセルで行っていました。入力していたのは私だったのですが、そのソフトの使用言語はすべて英語だったのでスタッフが直感的に使いこなすのが難しかったんです。
ほかにいいソフトはないものかと思案していた時に、Farmnoteのチラシを見て、これは誰でも使えるなと思いました。すぐにその日に自分で使ってみようと思ってアカウント登録を行い、使用感がとてもよかったのでその月中に本格的に導入しました。
- 「Farmnote導入後は、エクセルでの管理はやめました」
- 実際にご使用になってみて使い心地はいかがですか?。
- 非常に使いやすいですね。ファームノートのスタッフに当牧場に来てFarmnoteの使い方をわかりやすく説明してもらったのがよかったです。それを聞いてFarmnoteを使いたくなり、そのためにわざわざスマホを買ったスタッフもいるくらいなんですよ。現在はスマホを所有しているスタッフ全員が使っています。スタッフからもとても使いやすいと好評です。使用料金がリーズナブルなのもいいですね。
- 具体的に気に入っている点や機能は?
- 何かを知りたいことがあれば、現場でスマホでぱっと牛のデータを見れる点がすごくいいですね。入力作業もエクセルに比べてかなり楽なので、Farmnote導入後はエクセルでの管理は完全にやめました。
機能的に気に入っているのは個体リストですね。これはもはや、絶対にないと困るレベルです。個体リストのほとんどは、Farmnoteに最初から入っているデフォルトのものからオリジナルのものにカスタマイズしています。この個体リストの使い込み、活用度のスピードがすごいと、ファームノートのスタッフにも絶賛されました(笑)。
あとは牧場の成績データが見られるのが大きいですね。経営感覚を身に着けられるので、牧場の成績こそスタッフに見てもらいたいところですから。
- 導入により運営上の課題は解決できましたか?
- まず直感的なわかりやすい操作と場所を問わない入力・確認で、牛の管理がとても楽になったことが1つ。そしてそれにより、入力作業の省力化が実現できたことが大きいです。ファームノートのスタッフも、Farmnoteの使用上で気になることや疑問点は全部丁寧に教えてくださるので、とても感謝しています。
常日頃からスタッフにも「作業もシンプル・イズ・ベスト。必要なものだけを残して無駄なものはどんどん省いて簡素化しなさい」と指導しているのですが、そういう意味ではFarmnoteは私の考え方とぴったりマッチしていると感じます。
「ファームノートスタッフの導入後サポートもとてもいいです」
パインランドデーリィ様の取り組みについて
「牧場で生まれた仔牛を他の牧場に預けず、自分達の手で愛情をもって育てることにこだわっています」
「酪農業を中心に4つの事業に取り組んでいます」
- パインランドデーリィ様の事業内容を教えてください。
- 私たちは安心・安全な乳製品を作ることで、人々の生活に「心豊かな笑顔」をお届けすることを目指して日々、酪農業に取り組んでいます。
- そして当社の基幹事業は大きくわけて4つあります。
1つ目のメインとなる「生乳の生産・販売」では500頭ほどの牛から1日3回搾乳をし、年間の搾乳量は5500トンに上ります。
- 2つ目は2011年から着手している「乳製品の製造加工・販売」。モッツァレラチーズ、ゴーダチーズ、カマンベールチーズや醗酵バターを作って、新千歳空港や道の駅等で販売しています。 この六次化により”人の口に入るものを作っているんだ”という自覚、責任とともに仕事の喜びや働きがいを感じることが出来ています。
- 3つ目が「バイオガス発電事業」。牛たちの糞尿を発酵させメタンガスを燃焼させて発電するバイオガス発電に取り組んでいます。現在の総発電量は300キロワット。糞尿からバイオガスを取り除いた発酵液は優秀な肥料となり農地へ還元されます。その肥料で土を耕し牧草を育て、それを食べた牛から牛乳が生産されるという循環型酪農を実現しています。
- 4つ目は「オホーツクTMRセンター」。牛の飼料を生産・販売する会社で、2016年に近隣の農家さんと共同で設立しました。ここの代表は私の父親が務めています。
「その名も”食べやすいカマンベール”。全ての生産と努力の結晶である」
- 御社ならではの特徴は?
- 仔牛を他の牧場に預けず、自分たちの手で育てるということにこだわっています。当たり前に聞こえますが、メガファームでこの方式をとっている牧場はとても珍しいと思います。仔牛から成牛まで育てる環境と技術があるからこそ実現可能なのです。
最大のメリットは、価格の高い牛を買うことのなく、自前で牛を増やせることですね。未経産の牛たちには、雌の仔牛が生まれるように判別精液という種をつけるので、6〜7割の確立で雌が生まれます。これにより搾乳量の維持、安定が見込めるわけです。
また、現場で働くスタッフにとっても、自らがお産に立ち会った仔牛を成牛まで育てることで、牛たちに愛着がわき、仕事の喜びを得られるという点も大きなメリットだと感じています。
- 「約500頭の牛から1日3回搾乳をし、年間の搾乳量は5500トンに上る」
- 今、特に力を入れている取り組みはございますか?
- 現在、当社では、私の家族と20代〜50代までのスタッフあわせて24名に働いてもらっているのですが、入社した以上は定年まで勤めていただきたいと思っています。そのために後述する「この会社でずっと働きたい」と思ってもらえるような雰囲気作りに努めています。また、会社の規模拡大を視野に入れ、現場のスタッフの育成にも力を入れています。
今後のビジョン
「規模拡大以上に、スタッフに愛される会社作りに注力したい」
- 今後Farmnoteにどのような進化を求めますか?
- 乳量をすぐ確認できるのがFarmnoteの便利な点の1つなのですが、管理者だけじゃなくて現場スタッフも見られるようになるとなおうれしいですね。いつも現場スタッフには、「数字を意識した仕事をしてほしい」「現場スタッフ同士のコミュニケーションを図ってほしい」と言っているのですが、乳量で母牛の体調の異変に気付くことができるからなんです。これが可能になればFarmnoteは最高のツールになりますね。
- 今後のビジョンをお聞かせください。
- 会社としては搾乳牛を780頭まで増やすことを目標としています。それにともなってスタッフももっと採用したいですね。そして先程もお話しましたが、規模拡大以上に、当社に入社した人が長く働きたいと思うような会社にならないといけないと強く考えています。
- 入社した以上は、仲間になったスタッフが、定年まで勤めていける牧場を目指しています。私自身大切な家族がいますから、当社で働くスタッフの恋人や家族のことを強く意識しています。福利厚生の完備はもちろん、連休を毎月1回はとれるような休日スタイルを実施しています。”マイホームを持ちたい”との考えも想定し、スタッフの努力や貢献次第で、将来の収入の目安がわかる仕組みや、日々の業務の成長を支援する制度も整えています。
休みは月5回に加え、自分で好きな日を1日休みにできる「指定休」というものを実施しており、だいたいみんな連休にしています。スタッフは20~30代が中心になっており若い雰囲気が強いですが、酪農経験者も多く牛に対する技術的にはとても向上しています。困ったときはスタッフ同士が自然と励まし合う雰囲気が出来ており、牧場の雰囲気がどんどん良くなっていると実感しています。
- 今後は、普段の業務の簡素化をはじめ、農場HACCPなどの導入による組織整備、良い雰囲気の確立、スタッフの成長を支援する制度の充実化、会社として守るべきルールは順守した上で現場スタッフのやりたいことの実現、連休の充実、などやるべきことはまだまだ多いですが、喜んだり成長していくスタッフを見ることが私自身のやりがいですし、スタッフと協力しながら実現していくつもりです。
(終)