ファームノートを使ってみて
「使い勝手は最高。Farmnoteがなければ繁殖肥育はきっと出来なかった。」
Farmnote正式リリース前からずっと期待し、たくさんの現場の声を伝えました。
- Farmnote導入のきっかけを教えてください。
- 2年前繁殖肥育を始めると決め、繁殖に関しては右も左もわからなかったので、繁殖管理ソフトを探していました。でもいいと思えるものが全く見当たらず、これからどうやって肉牛の繁殖管理、個体管理をしていけばいいんだろうと途方にくれていた頃、日経新聞でFarmnoteの紹介記事を見つけたんです。記事には、”クラウドベースでいつでもどこでも牛群の情報を管理・記録・分析することできる牛群管理システム”だと書いてありました。これこそ私が求めていたシステムだ!と衝撃を受け問い合わせたんですが、まだ正式リリース前だったんです。
しかし代表の小林さんがすぐ山口県の当牧場まで飛んできてくれました。現場の声と共にFarmnoteを作っていって欲しいと伝え、小林さんの考えも全く同じだったので、すぐに意気投合。アンバサダー制度も提案し立候補し、たくさんの意見を小林さんや開発チームや他のアンバサダーの方とやりとりしています。
「シームレスな検索機能など、使い勝手は最高です」
- Farmnoteを使ってみての感想はいかがですか?
- Farmnoteは主に牛の繁殖管理のために使用しているのですが、使い勝手は最高ですね。
従来のようにいちいち牛舎と事務所を行ったり来たりしなくても、スマートフォン1つでどこにいても牛の管理ができる。これはすごいことだと思います。
- 特に、リストがカスタマイズできるのがすごくいいです。加えて、繁殖のところで各牛の過去の履歴が見られて、母牛と子牛がリンクされており情報の検索がシームレスにできるのがとても便利ですね。
このシステムならいちいちリストを見ながら個体番号をべースに追いかけていく作業をしなくても、ノートの中の番号をクリックするだけでその牛のすべての情報が出てくるのですごく助かっています。また、一覧で受胎率や空胎日数がひと目でわかりますし、インターフェイスがとても優れていると思います。
また、Farmnoteはクラウドベースでこちらの要望がリアルタイムで反映されていきます。これが一番の強みですよね。アンバサダーやユーザーの人達の声を聞いて驚異的なスピードでブラッシュアップされて、この短期間でこれだけのシステムができました。システムを造る技術や情熱がすごいなと感じています。
- ではFarmnoteを使うことで運営上の課題は解決できましたか?
- もちろんです。というより、Farmnoteがなかったら繁殖はできていなかったと思います。 当牧場で繁殖を始めてからこれまで事故がなく、発情を見逃して困ることがないのはFarmnoteのおかげなんですよ。 当初は5年計画で繁殖牛を10数頭から50頭に増やすことを目指していたのですが、2年ですでに30頭、1年前倒して4年で確実に実現できる見通しです。
Farmnoteは私にとってはなくてはならないものです。だからよく同業者に「Farmnoteってどうなの?」と聞かれるんですが、「畜産農家のものすごく強い武器になる。使うのと使わないのとでは経営的にも、ものすごく大きな差が生まれるよ」といつも答えているんです。
- 今後Farmnoteにどのような進化を求めますか?
- あえていうのであれば、牧場はえてして電波状況の悪い僻地にあるので、オフラインで作業ができるシステムができれば言うことなしですね。
また、現状では授精証明書などのフォーマットがバラバラなので、作成するのに非常に手間隙がかかるんです。そこをFarmnoteでボタン1つで授精証明書がプリントアウトできるようなシステムを作っていただければ大変助かります。事務処理までシームレスにできるようになれば完璧で、そのぶん現場の牛の状態把握に集中でき、より命と真剣に対峙できる時間が増やせることになります。これからの広がりにさらに期待したいですね。
今後のビジョン
「社会の皆様から愛され、必要とされる畜産農家になりたい」
- 現在力を入れている取り組みを教えてください。
- 先日、経産省の基盤技術を担う中小企業の研究開発、人材育成等を支援する「ものづくり中小企業支援」公募に「冷凍システムを組み合わせた世界初の熟成肉システム技術」で応募したところ採択されたので、これに全身全霊を懸けて取り組んでいく所存です。
また併せて自社経営のレストラン「FIRE HILL」のリニューアルも秋口をメドに考えています。具体的には、当牧場で育てた栄養価が高くおいしい牛肉と一緒に、当農場の発酵堆肥で育てた滋味あふれる野菜をよりたくさん提供するということです。このような肉も野菜もすべてポテンシャルの高い食材をお客様に提供する。それが畜産農家が土づくりの前の堆肥づくりからスタートする飼料づくりと繁殖から手掛けるという希有な牛肉であり、新技術の熟成肉システムによりシナジーを生みます。何より、最終的な『肉の味』をその全過程にフィードバックできるフィールドがここにはあり、『やれること』は、まだまだ山ほど…でもそこにFarmnoteがスッと寄り添ってくれてる安心感があるんです。
だからこそ、実現出来れば絶対に真似できないオンリーワンの取り組みだと自負しています!
自家発酵飼料から作った滋味深い野菜と、かろやかでしっかりとした味の自慢の牛肉。
- 今後のビジョンをお聞かせください。
- 冒頭で申し上げた、堆肥作りから繁殖肥育、レストラン経営まで一気通貫の畜産のビジネスモデルをより確固としたものにしていくことと、そのサイクルを正常に回していくことが梶岡牧場の目標でもあるし、それで生きていくスタイルを今後も貫きたいと思っています。
- これが本来の意味での循環型農業だと思いますし、正常なサイクルを目指すことは、物質だけではなく、最終的にはお金の循環にも繋がると信じているんです。 また、今でも多くの方々から「梶岡牧場がなくなったら困るから頑張って!」と言われているのですが、より社会から愛され、必要とされる畜産農家になりたいですね。 なくなったら私を筆頭に多くの畜産農家がとても困るFarmnoteのように。
(終)