Farmnote Gene、新たにゲノム検査機関を追加。
ロボット適性指数など指標の範囲が広がり、牛群改良の加速へ

 Farmnote Geneは2022年3月1日に提供を開始以来、本年で3年目を迎えます。
酪農生産者であるお客様の牛の遺伝子を採取し、検査結果をWeb画面で分かりやすくご提供することで、ゲノム的に収益性の高い牛を後継牛として確保し、そうでない牛では個体販売用途で確実に収益を上げられるよう、数値ベースでの意思決定をサポートしています。

牛群改良に求められる形質の知見から、
検査機関を追加

 Farmnote Geneのサービスを提供する中で、酪農生産現場で求められる牛群改良の方向性として、主に3つの形質が重視されることがわかってきました。それは乳量・乳成分、繁殖性、そして搾乳性(乳器)です。総合指標を意識しながらもこれら形質を強化する授精戦略を推進するには、メイティングのリードタイムを短縮することも必要です。

 そのためFarmnote Geneでは、これらを強化するため、独自指標を持つST Genetics(Genetic Visions-ST)をゲノム検査機関に追加しました。ST Geneticsは、CDCBが指定するゲノム検査機関の一つです。ST Geneticsが提供するゲノム検査「Vision+」は、牛群改良に求められる形質に対応できるメリットがあります。

ST Geneticsが提供するゲノム検査「Vision+」の独自指標

  • ロボット適正指数(Robotic Cow Index)
    • ロボット搾乳は、人件費を削減し、動物福祉を向上させ、乳量を増加させるシステムです。RCIはロボット搾乳データによって検証されたロボット搾乳成績から構築された、唯一の遺伝学的インデックスです。この指標は、4,600頭以上の牛と900,000件近い毎日の搾乳記録データから開発されました。
    • インデックスには搾乳が完了するまでの時間だけでなく、牛が搾乳ボックスに入っている時間も加味されています。ロボット適性の高い牛はその気質や流量、乳房炎耐性などからロボットだけでなく、どんな設備においても搾りやすい牛だといえます。
  • エコフィード(EcoFeed)
    • 飼料は生産における最大の変動投入コストであり、米国農務省によれば総生産コストの51%を占めています。特に自給飼料率の低いわが国において、気候変動や地政学的リスク、為替レートなどの外部要因は大きく、収益性と経営の持続可能性を向上させる最大の要因は、乳牛が飼料を製品に効率的に転換する能力を向上させることです。
    • エコフィードプログラムは、残留飼料摂取量(RFI)として知られる飼料変換効率の指標を使用します。RFI は、個体維持および成績要件を満たすために必要な量を超える飼料摂取量の変動を定量化する指標です。エコフィードが10ポイント高まると、日に1ポンド(0.45kg)の乾物摂取量が節約されます。
  • ドナーアウトプットインデックス(DOI)
    • 受精卵をより多く生産するドナーを選抜する総合指標です。
    • 体外受精プログラムでドナーとして使用する最も遺伝形質的な牛を特定でき、下記3つのドナーのパフォーマンス特性を組み合わせています。
      • OOC:1回の過剰排卵で生成される卵細胞数
      • VEA:体内受精で生産される利用可能な胚数
      • VEI:体外受精で生産される利用可能な胚数

Farmnoteは
データに基づく繁殖戦略をシームレスに実現

 酪農経営の牛群改良において、繁殖戦略は重要なファクターです。Farmnote Cloudで管理されている授精記録に、Farmnote Geneで得られた遺伝子解析の結果が取り込まれることで、より生産性の高い牛群を形成できる環境が整います。さらにFarmnote Cloud の情報が農水省『全国版畜産クラウド』など外部データとの連携で自動入力され、またFarmnote Geneで立てられた授精計画をもとに、「ジェネティクスサービス」を利用することで、牧場生産がワンストップで行えるようになります。ファームノートはこれからもお客様の繁殖計画を支援し、遺伝子情報に基づいた牛群改良を実現していきます。

株式会社 ファームノート 会社概要

会社名:株式会社ファームノート
代表者:代表取締役 下村 瑛史
所在地:北海道帯広市公園東町1-3-14
設立:2013年11月
資本金:9000万円
TEL:0155-67-6911
URL:https://farmnote.jp/
事業内容:農業IoTソリューションの開発・提供

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