【全11回】革新を創造する。次世代経営者とビジョン⑤

<連載第5回:チャレンジと困難>

インターネットの発達によって産業構造が大きく変化している時代の中で、経営に求められるものも同様に大きく変わってきています。そんな中、注目を集める次世代経営者の方々はどのような考えでイノベーションを起こそうと努力されているのでしょうか。

2017年12月に北海道帯広市にて開催を致しました「ファームノートサミット2017 Winter」にて、有限会社一平(九州パンケーキ)村岡代表と株式会社BAKE 長沼会長にそのお考えや目指すビジョンについてお話を伺ったパネルディスカッションです。


スピーカー

有限会社一平 代表取締役 村岡 浩司 氏
株式会社BAKE 会長 長沼 真太郎 氏


モデレーター

株式会社ファームノートホールディングス
代表取締役 小林 晋也


<1つ前の記事はこちら>

<モデレーター:小林>
ではこの勢いで次のセッションにいっちゃいますね。次のセッションは、チャレンジと困難。さっきの上海の話も、アメリカの話も困難だと思うんですよね。


チャレンジと困難


<村岡氏>
そもそもベイクってまだ4年半なんですか?

<長沼氏>
はい、4年半です。

<村岡氏><モデレーター:小林>
すごいですね!

<長沼氏>
実質、創業は4年半前なんですけど、一番最初はアプリとかを作っていたんですよ。ケーキを販売するためのアプリとか、エンジニアを抱えて。店舗事業を始めたのはその1年後なので、実質店舗事業をやって3年半くらいですね。

<モデレーター:小林>
3年半で70店舗でしたっけ?

<長沼氏>
正確に言うと65店舗ぐらいです。(注:イベント当時)
でも我々はシンプルなので、商品もひとつなので、かつ店舗も小さいんですよね。初期投資も少ないっていうのがあるので、非常にやりやすいモデルにはなっていると思います。

<モデレーター:小林>
再現性の高いモデルを作ったからこそ、多店舗ができるってことですね。

<村岡氏>
お聞きしたいんですが、再現性が高いとのことですが、ベイクの各店舗に個性があるじゃないですか?デザイン性がすごい尖っていて。フランチャイズとか多店舗展開をするときの常識ってこれまでは同じパッケージで、同じものを同じようにコピー&ペーストしていくのが常識だったと思うのですが、すこし違うような感じがするんですよね?

<長沼氏>
そこはとてもこだわっています。我々の場合はお菓子ですから、趣向性のある商品なのでデザインっていうのが確実にお菓子の価値を相当上げると思っているんですよ。だから、例えばつまらないデザインの店舗を毎回同じで出す、チェーン店化するっていうのはマズイなって思っています。
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(写真:長沼氏)

我々の店舗づくりでは、若手の建築デザイナーさんに頼んでデザインを毎回変えたりしています。デザインってものすごくコストパフォーマンスのいい投資だと思うんですよね。

店舗をつくるのに、デザイナーさんにある程度お金を払うんですけど、大したことないんですよ。新店舗の最初にかかる数百万円という投資が、価値のあるものだと思っているので、毎回デザインを変えてデザイナーさんも変えて、新しいデザインしているっていうのが理由です。

<モデレーター:小林>
ブランディングや店舗デザイン、あとは製造工程をシンプルにするってことで再現性も上げていると思うんですけど、オペレーションの部分はどうですか?例えば人が結構いるわけですよね?

<長沼氏>
一つの店舗で30人とか40人とかいます。

<モデレーター:小林>
マネジメント、結構大変じゃないですか?

<長沼氏>
マネジメントは結構大変ですね。ただ先ほど仕組み化って言いましたが、そもそも一つの商品しか扱わないっていうことと、ほぼ完成品を北海道の工場で作るので、店舗では最終加工だけにしています。そこまでスキルセットが必要ない工程にしています。

【全11回】<連載第6回:チャレンジと困難②>

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