受精卵等売買約款

第1条 (本約款の適用)

  1. この約款(以下、「本約款」といいます。)は、株式会社ファームノート(以下、「当社」といいます。)が、牛に係る家畜人工授精用精液および/または家畜受精卵(以下、「受精卵等」という。)をお客様に売り渡し、お客様がこれを買い受ける売買取引の諸条件を定めるものです。
  2. お客様が買主、当社が売主となる受精卵等の売買取引において、本約款の規定と矛盾抵触する合意事項がある場合には、当該合意がお客様と当社双方の記名押印または署名ある書面または電磁的記録によりなされ、かつ、本約款に優先される旨が明記されている場合または本約款において当該合意が優先される旨が規定されている場合を除き、本約款の規定が優先して適用されるものとします。

第2条 (本約款の変更)

  1. 当社は、次の各号に該当する場合、お客様の承諾を得ることなく、当社の裁量で本約款の内容を変更することができるものとします。
    1. 本約款の変更が、お客様の一般の利益に適合するとき
    2. 本約款の変更が、本契約を締結した目的に反せず、かつ、変更の必要性、変更後の内容の相当性、その他の変更にかかる事情に照らして合理的なものであるとき
  2. 前項に基づき、本約款を変更する場合、当社は、あらかじめ変更後の内容と当該変更の効力発生日を当社のウェブサイトに掲示することにより周知します。
  3. 第1項に定める場合のほか、当社が法令上お客様の同意が必要となる本約款の内容の変更を行う場合、当社は、当社が適当と判断した方法によりお客様の同意を得るものとします。

第3条(契約の成立)

  1. お客様および当社は、お客様が買主、当社が売主となる受精卵等の売買取引にあたり、その都度、契約(以下、「本契約」といいます。)を締結します。
  2. お客様は、次のいずれかによる方法により、本契約を申込むものとします。
    1. 売買の目的となる受精卵等(以下、「本件受精卵等」という。)の種類、数量、価格、希望納入時期、納入場所、納入形態等を記載した当社の指定する様式の発注書を当社に交付する方法 
    2. 当社の指定するフォームに必要事項(本件受精卵等の種類、数量、価格、希望納入時期、納入場所、納入形態等)を入力のうえ送信する方法
    3. その他当社が指定する方法
    4. なお、本契約の申込みにあたり、お客様はあらかじめ本約款の内容を確認し、本約款に同意しなければなりません。本約款が参照され、本約款に同意する旨が記載された当社指定の発注書の交付、フォームの送信、または当社指定の方法により申込の意思表示をおこなった場合、お客様は本約款に同意したものとみなします。

  3. 前項の申込みに対し、当社が書面(電子メールを含みます。)による承諾の意思表示をなしたときに、本約款をその内容の一部とする本契約が成立します。

第4条 (納入)

  1. 当社は、お客様と合意した納入日(以下、「納期」といいます。)に、納入場所に納品書とともに本件受精卵等を納入します。送料は売主の負担とします。
  2. 当社は、納期までに本件受精卵等の全部または一部を納入できない事由が発生したとき、またはそのおそれがあるときは、直ちにその理由および納入予定時期等をお客様に通知し、その対応につきお客様と協議するものとします。
  3. 当社は、法令またはお客様との事前の合意に従い、受精卵証明書、人工授精用精液証明書その他本件受精卵等の仕様・品質を証明する書面を本件受精卵等とともに納入するものとします。
  4. お客様と合意した納期に当社が納入場所に本件受精卵等を届けたにもかかわらず、お客様の責めに帰すべき事由により当日に納品ができず納期を改める必要がある場合は、お客様は、違約金として送料相当額の2倍の金額を当社に支払わなければなりません。
  5. お客様が本件受精卵等の運搬容器を一時的に保管する必要がある場合、お客様は当該運搬用器を善良なる管理者の注意義務をもって保管するものとし、速やかに当社指定場所に返送するものとします。当該返送費用は、書面または電磁的記録による別段の合意がない限り、お客様の負担とします。

第5条(検査)

  1. お客様は、当社から本件受精卵等の納入を受けたときは、次項に規定する検査期間内に検査し、当該本件受精卵等が種類、品質または数量に関して契約の内容に適合していると認めたものを検収するものとします。なお、本件受精卵等が引渡し完了後に速やかに納入場所において牛に移植される場合を除き、当該検査において、お客様は本受精卵等の入った容器(ストロー)の表示を確認することを要さず、納品書および当社が提出する受精卵証明書、人工授精用精液証明書等を確認する方法により検査をおこなうものとします。
  2. 検査期間は、次のとおりとします。
    1. 納入形態がケーン(ストロー)での納入の場合:納入後、直ちに
    2. 納入形態が運搬容器(ボンベ)での納入の場合:納入日から起算して3日間
  3. お客様は、本条第1項の検査の結果、本件受精卵等に種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しないもの(以下、「不適合」という。)があった場合には、検査期間内に当社に通知(本条前項第2号に該当する場合は書面により通知)しなければなりません。
  4. 前項の通知を受けた当社は、別途お客様と合意する日までに、不足分または代替品を納入するものとします。なお、不適合のあった本件受精卵等の返送または廃棄に要する費用は、当社の負担とします。
  5. 第2項に規定する検査期間を経過した日において、当社が第3項に基づく不適合品である旨の通知を受けていない場合には検収されたものとみなし、本条の検査において発見可能な不適合について、当社は契約不適合責任を負わないものとします。

第6条(所有権の移転)

本件受精卵等の所有権は、検収をもって当社からお客様に移転します。


第7条(危険負担)

天災地変等の不可抗力その他お客様または当社の責に帰すべき事由によらない本件受精卵等の滅失・毀損の損害は、本件受精卵等の納入までに生じた事由によるものは当社の負担とし、納入以降に生じた事由によるものはお客様の負担とします。


第8条(支払条件)

  1. お客様は、当社が出荷した本件受精卵等の代金を、月末締め翌月末日払いにて、当社指定の銀行口座に振り込むことにより売主に支払うものとします。なお、振り込みに要する費用はお客様の負担とします。ただし、発注書等にこれと異なる支払期日・支払方法が定められていた場合には、発注書の定める支払期日・支払方法によるものとします。
  2. お客様が、本条に定める支払を怠った場合には、年14.6%の割合による遅延損害金(1年を365日とする日割計算)を当社に対し支払わなければなりません。

第9条(契約不適合責任)

  1. お客様は、本件受精卵等に第5条に基づく検査においては発見することができなかった不適合があることを発見したときは、当社に対してその旨を書面により通知するものとします。当該不適合が当社の責に帰すべき事由によるものである場合には、お客様は当社に対し、代替品の納入または不足分の納入を請求することができます。
  2. 前項のお客様から当社への通知が本件受精卵等納入日から起算して6ヶ月以内になされない場合には、お客様は当社に対して前項に基づく請求、損害賠償請求および契約の解除をすることができません。ただし、当社の故意または重過失による場合はこの限りではありません。
  3. 第1項の規定に基づきお客様が当社に代替品の納入または不足分の納入を請求した場合であって、当社が代替品の納入または不足分の納入をおこなわなかったときは、お客様は代金の減額または損害賠償請求もしくは契約の解除をすることができるものとします。

第10条(和牛受精卵等の国外利用および目的外利用の禁止)

お客様は、本件受精卵等が、和牛(黒毛和種、褐色和種、日本短角種、無角和種の牛をいいます。)に係る家畜人工授精用精液または家畜受精卵に該当するときは、当該和牛人工授精用精液または受精卵(以下、「本件和牛受精卵等」といいます。)を日本国外で利用してはならず、また国内における繁殖用牛または肥育牛の生産(国内における繁殖用牛または肥育牛の生産の用に供する家畜受精卵の生産を含みます。)以外の目的(種牛改良への利用を含み、これに限られません。)のために利用してはなりません。


第11条(和牛受精卵等の品質および在庫の管理)

  1. お客様は、本件和牛受精卵等について、的確かつ衛生的に保存してその品質を保全するとともに、その和牛ブランド価値の毀損が生じないよう適切に管理しなければなりません。
  2. お客様は、本件和牛受精卵等について、当社の定める方法において、その保存、利用、在庫、廃棄および譲渡に関する事項を記録し、当社が求める場合には、当該記録を当社に報告しなければなりません。

第12条(第三者への和牛受精卵等の譲渡)

  1. お客様は、本件和牛受精卵等を第三者に譲渡する場合には、お客様と当該第三者との間の契約において、第10条乃至第13条に規定されるお客様の義務と同等の義務を当該第三者に課さなければなりません。
  2. お客様は、当社が求める場合には、前項に定める第三者への譲渡契約に係る契約書の写しを当社に提出しなければならなりません。
  3. お客様は、本件受精卵等(本件和牛受精卵等に限りません。)を第三者に譲渡する場合には、当該本件受精卵等の品質について一切の責任を負うものとします。ただし、当該本件受精卵等について、当社の責に帰すべき事由があった場合には、この限りではありません。

第13条(和牛受精卵等の返還)

  1. 当社は、お客様が第10条乃至第12条の規定のいずれかに違反していると認めるときは、お客様に対し、本件受精卵等の返還を求めることができます。
  2. 前項の場合において、お客様は、本件受精卵等のうち、利用または廃棄をしたもの以外のものをお客様の費用において、ただちに当社に返還しなくてはなりません。ただし、お客様が前条第1項に違反していない場合には、譲渡したものの返還は要しません。

第14条(解除・期限の利益の喪失)

  1. お客様または当社は、相手方に次の各号のいずれかに該当する事由が発生した場合には、何らの催告なくして、本契約の一部または全部を解除することができるものとします。
    1. 本契約に違反し、相当の期間を定めて催告したにもかかわらず、その違反が是正されなかったとき
    2. 破産、民事再生、特別清算、会社更生手続の開始が申立てられ、あるいはこれに類する手続が申立てられたとき。ただし、これらの申立が債権者によりなされた場合には、裁判所がその手続開始決定をしたとき(特別清算の場合には手続開始命令をしたとき)とする
    3. 手形または小切手が不渡処分を受ける等の支払停止状態となったとき
    4. 差押え、仮差押え、本契約に関する仮処分もしくは競売の申立てがあった場合、または租税滞納処分を受けたとき
    5. 合併以外の事由により解散するとき
    6. その他財産状態が悪化し、またはそのおそれがあると認められる相当の事由があるとき
  2. お客様に前項各号に掲げる事由の一つが発生した場合、または当社の催告の有無にかかわらずお客様の本契約に基づく金銭債務の履行が30日以上遅滞した場合には、お客様の当社に対する一切の債務(本契約に基づくものに限られません。)は当然に期限の利益を失い、お客様は全ての債務を直ちに当社に弁済しなければなりません。

第15条(秘密保持)

  1. お客様および当社は、本契約を通じて知り得た、相手方(以下「開示者」といいます。)が開示にあたり、書面・口頭・その他の方法を問わず、秘密情報であることを表明した上で開示した情報(以下「秘密情報」といいます。)を、厳に秘密として保持し、開示者の書面(電磁的記録を含みます。)による事前の承諾なしに第三者に開示、提供、漏えいし、また、秘密情報を本契約に基づく権利の行使または義務の履行以外の目的で利用してはならないものとします。ただし、法令上の強制力を伴う開示請求が公的機関よりなされた場合または個人情報保護委員会に対して漏えい等を報告するにあたって個人情報保護委員会から開示を求められた秘密情報については、秘密情報の開示を受けた当事者(以下「被開示者」といいます。)は、その請求に応じる限りにおいて開示することができるものとします。
  2. 前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する情報は、秘密情報にあたらないものとします。
    1. 開示の時点で公知の情報
    2. 開示後に被開示者の責に帰すべき事由によらずに公知となった情報
    3. 正当な権利を有する第三者から秘密保持義務を負うことなく開示された情報
    4. 開示の時点で既に被開示者が保有していた情報
    5. 秘密情報によらず被開示者が独自に生成した情報
  3. 被開示者は、本契約の履行のために必要な範囲内に限り、本条第1項に基づく秘密保持義務を遵守させることを前提に、自己の(当社にあっては当社の親会社である株式会社ファームノートホールディングスおよびその子会社を含みます。)の役職員または法律上守秘義務を負った弁護士、会計士、税理士等に対して秘密情報を開示することができるものとします。
  4. 本条に基づく義務は、本契約が終了した後も3年間存続するものとします。
  5. 前条第1項の規定にかかわらず、当社は、お客様から特段の申し入れがない限り、お客様の所在地(市区町村まで)および氏名(お客様が法人等である場合には当該法人の名称)を、当社の受精卵購入導入事例として公開できるものとします。

第16条(損害賠償)

本契約に関連する当社のお客様に対する損害賠償責任は、いかなる場合にも、お客様に直接かつ現実に生じた通常の損害に限定され、かつその損害賠償の総額は、本契約の契約金額を上限とします。ただし、当社に故意または重過失がある場合には、この限りではありません。


第17条(不可抗力免責)

お客様および当社は、自らの合理的な支配の及ばない状況(火事、停電、ハッキング、コンピューターウィルスの侵入、地震、洪水、戦争、疫病、通商停止、ストライキ、暴動、物資および輸送施設の確保不能、または政府当局による介入を含むがこれらに限定されない。)による本契約上の義務(支払期限にある金銭債務は除く。)の不履行または履行遅滞について責任を負いません。


第18条(反社会的勢力の排除)

  1. お客様および当社は、相手方が反社会的勢力(暴力団、暴力団員、暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者、暴力団準構成員、暴力団関係企業、総会屋等、社会運動等標ぼうゴロまたは特殊知能暴力集団、その他これらに準ずる者をいう。以下本条において同じ。)に該当し、または、反社会的勢力と以下の各号の一にでも該当する関係を有することが判明した場合には、何らの催告を要せず、本契約を解除することができます。
    1. 反社会的勢力が経営を支配していると認められるとき
    2. 反社会的勢力が経営に実質的に関与していると認められるとき
    3. 自己、自社もしくは第三者の不正の利益を図る目的または第三者に損害を加える目的をもってするなど、不当に反社会的勢力を利用したと認められるとき
    4. 反社会的勢力に対して資金等を提供し、または便宜を供与するなどの関与をしていると認められるとき
    5. その他役員等または経営に実質的に関与している者が、反社会的勢力と社会的に非難されるべき関係を有しているとき
  2. お客様および当社は、相手方自らまたは第三者を利用して以下の各号の一にでも該当する行為をした場合には、何らの催告を要せず、本契約を解除することができます。
    1. 暴力的な要求行為
    2. 法的な責任を超えた不当な要求行為
    3. 取引に関して、脅迫的な言動をし、または暴力を用いる行為
    4. 風説を流布し、偽計または威力を用いて信用を毀損し、または業務を妨害する行為
    5. その他前各号に準ずる行為
  3. お客様または当社が前各項の規定により本契約の全部または一部を解除した場合には、相手方に損害が生じても何らこれを賠償ないし補償することは要せず、また、かかる解除により自己に損害が生じたときは、相手方はその損害を賠償するものとします。

第19条(契約上の地位・権利義務の譲渡)

  1. お客様は、当社の事前の書面による承諾を得なければ、本契約上の地位または本契約に基づく権利義務を第三者に譲渡することができません。ただし、お客様が第三者と合併する場合など、その地位が第三者に包括的に承継される場合はこの限りではありません。
  2. 当社は、お客様の承諾を得ることなく、本契約の契約上の地位または本契約に基づく権利義務を当社の親会社、子会社または関連会社に譲渡することができるものとします。

第20条(権利放棄)

当社が本契約に基づく権利または救済の行使または執行を直ちに行わないと判断した場合であっても、かかる権利または救済に関して権利放棄したことにはなりません。お客様から見て本契約と相容れない行為を当社が行った場合であっても、当社の行為を本契約に係る権利放棄または解釈上の変更とみなすことはできません。


第21条(完全合意・分離可能性)

  1. 本契約は、本契約に含まれる事項に関するお客様と当社との間の完全なる法的合意を構成するものであり、本契約成立以前になされたこれに関する協議および合意のすべてにとって代わられるものとします。
  2. 本契約のいずれかの条項が管轄権を有する裁判所によって無効とされた場合であっても、本契約の残りの条項の有効性に影響を与えないものとします。

第22条(準拠法・合意管轄)

  1. 本契約の準拠法は日本法とします。
  2. 本契約に関連し訴訟が生じた場合には、東京地方裁判所をもって第一審の専属的合意管轄裁判所とすることに合意します。

第23条(協議)

本契約に定めのない事項内容または条項の解釈についての疑義が生じた場合には、お客様および当社は、信義誠実の原則に従い協議のうえ、円満に解決するものとします。


2023年6月20日 制定