国内外にみる、酪農でのICT利活用とその実態

アメリカやオーストラリア、ニュージーランド、イスラエルなど酪農先進国の生産者へ視察を重ねてきた弊社執行役員・本多がみた、酪農でのICT利活用とその実態とは?

株式会社ファームノート プロダクトマネジメントチーム
執行役員 プロダクト統括 本多 壮一郎

 日本の酪農は過去20年間、著しい管理技術の向上によって乳牛の泌乳生産能力をほぼ一貫して向上させ、飼養形態の変化や大規模化とともに生産性を向上させてきた。

反面、高泌乳化は繁殖成績の悪化だけでなく周産期病をはじめとする疾病のリスクを高め、生産者の経済的・労働的な負担を増大させる一因になっている事実もある。生産者にとって、それらの課題を認識していても原因究明は容易ではなく、またそれらに対処する時間や人員の確保も難しい。

ICT(情報通信技術)はこれらの課題を解決へと推し進める可能性をもつ。生産者に代わってセンサーが牛の行動をモニタリングしたり、スマートフォンで簡単に作業や個体の記録・閲覧・共有を行い、データを可視化するので、生産者の作業効率を高める上で欠かせないツールになりつつある。

しかし最も重要なことは、集まったデータを活用することで、生産者が普段の業務範囲からでは知り得ない情報を手にすることだ。例えば、目視では察知が難しい牛の異常発見や発情発生時刻を起点とした授精適期の把握、反芻時間の推移を活用した飼養管理など生産者の能力を拡張するICTの利点がある。

国内酪農でのICT導入は近年進みつつあるが、海外の酪農先進国では搾乳機器メーカーを中心としたICT推進が既に進んでおり、牛群を管理するソフトウェアやセンサー類は20年以上も前から存在している。ただし導入こそ日本と比べて進んでいるものの、豊富な機能を使いこなした高次元での利活用が広まっているかといえば疑問も多い。その理由は"製品の使いづらさ"にある。

これまでアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、イスラエルなど酪農先進国の生産者へ視察を重ねてきたが、ICTを導入する生産者の多さとは対照的に製品において実際に利用されるのは一部の機能のみなど、開発メーカー側と利用者側との間に存在する需要と供給の隔たりを目の当たりにしてきた。酪農経営課題の解決には、人間をサポートするICT製品の導入が進むだけでは不十分であり、生産者がICT製品を使いこなせていることが不可欠だ。

 ファームノートでは、「アンバサダー」と呼ぶ協力生産者の皆さまからフィードバックを募り、製品の"わかりやすさ"や"使いやすさ"を追求した生産者目線での製品開発を心がけてきた。

クラウド牛群管理システム「Farmnote」を2014年11月に正式リリースし、これまで約3,600戸の生産者(約34万頭)が導入。高く評価されているのは、場所を選ばずスマートフォンで牛の個体情報を確認できる点だ。妊娠率や初回授精状況が一目でわかるレポート機能を活用して経営課題の発見や注意すべき牛のリストアップ、牧場スタッフ間での情報共有などに日々活用されている。

2016年8月からは、人工知能を活用した牛用IoTセンサーの国内先駆けとなる「Farmnote Color」を提供。牛の活動量や反芻時間、休息量の行動データを基に牛の発情兆候や疾病疑いを検知し、生産者のスマートフォンやパソコンに兆候通知を行う機能を持つ。生産者視点での開発努力とアンバサダーの協力もあり、製品購入顧客の約95%が毎日利用をしているが、メーカーとしてさらに成長が必要である。

 酪農には未だ不確定な要素が多く、ファームノートとしてはデータをより活用することで生産者の収益や日々の酪農体験はもっと向上できると信じている。

持続可能な食糧生産の実現には、経済動物や生産者の幸福な生活が欠かせない。
ファームノートは生産者を含む全ての酪農関係者との繋がりを大切にし、技術革新によって持続可能な地球の豊かさへの貢献を目指している。



▼本多 壮一郎 略歴
福岡県生まれ。立命館アジア太平洋大学卒。英国系医療機器メーカーのプロダクト・マネージャーとして複数プロダクトの日本上市や拡販を成功させ、新たな治療方法の普及に貢献。2017年にファームノートにプロダクト・マネージャーとして入社し、2018年9月よりプロダクトの責任者として執行役員の職務に就く。

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