農業生産法人有限会社神内ファーム21
浦臼牧場副場長 野間 貴夫様

「Farmnoteを活用することで、より良い飼育法や治療法、
受胎計画が立てられるようになりました」

農業生産法人有限会社
神内ファーム21

野間 貴夫 様

肉牛一貫

北海道・浦臼町に600ヘクタール広がる農場・牧場を持つ神内ファーム21様は、「自然な状態で育てることで、良質な肉牛となる」をモットーに、国内最高峰のあか毛和牛(以下「あか牛」)ブランド「神内和牛あか」を展開しています。夏は親子放牧、冬は牛舎と季節で育て方を変え、草中心の飼料を与えるなど試行錯誤してより良い牛の育成を目指す野間 貴夫様にFarmnoteを導入した経緯とその効果を伺いました。

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Farmnoteを使ってみて

「個体ごとに育ってきた履歴をタイムラインで確認できるストーリー機能で、業務の引き継ぎやより良い治療法の検索、営業部との情報共有が進みました」

Farmnote導入の経緯を教えてください。
「Farmnote導入前は手書きで個体台帳を作成する手間が大変でしたが、今はFarmnoteが個体台帳の役割を果たしてくれます」「Farmnote導入前は手書きで個体台帳を作成する手間が大変でしたが、今はFarmnoteが個体台帳の役割を果たしてくれます」
以前は牛の治療歴や授精歴、体重などのデータを個別に管理していました。普段はそれで問題がありませんが、個体の授精歴や治療歴、体重推移が時系列で把握できる個体台帳がないため、例えば牛が病気になった時、過去の治療歴や投薬の履歴について、何冊ものノートをめくって確認しなければならなかったのです。そこで個体台帳を手書きで作成しようと頑張っていたのですが、手作業ではまったく追いつきませんでした。
個体台帳が役立つのは重篤な時だけとは限りません。牛の生育状況を常に把握することは、より健康で良い牛の出荷につながります。
こうしたことから、牛の情報を個体ごとに集約して管理できる仕組みを探していました。
導入前に検討した点
Farmnoteを知ったのは、購読していた新聞記事がきっかけでした。折しも導入している他牧場の知人からFarmnoteを勧められたということもあり、すぐにファームノート社に連絡を取って、2015年11月からトライアル導入を始めました。
Excelでも牛のデータを入力していたため、当初は『データ入力が二度手間になり、運用が面倒になるのでは』とも思ったのですが、ファームノート社に相談しながら進められたので安心し、今はExcelではなくFarmnoteに移行中で、ずっと便利に活用しています。
実際にご使用になって感じた使い心地
トライアルが終わり、Farmnoteの本格導入を始めたのは2016年の2月から3月にかけてのことでした。実際に使い進めてみたところ、入力のしやすさや個体ごとにデータ集約ができることなど、多くの面でメリットを感じています。
条件に合う牛のリストを出して、チェックボックスにチェックを入れるだけで一括で情報が入力できる点がとても便利です。
「カロリーが高い穀類は効率的に牛の体を大きくしますが、草食動物である牛の健康を考えて草中心の飼料を与えています」「カロリーが高い穀類は効率的に牛の体を大きくしますが、草食動物である牛の健康を考えて草中心の飼料を与えています」
お気に入りの機能と効果
私が最も気に入っているFarmnoteの機能は「ストーリー機能」です。
ストーリー機能は、発情の時期、疾病歴や治療歴、そしてどの牛群にいつ移動したのかなどの牛の一生をタイムラインとして確認できる機能です。これを使うことで、従業員同士の引き継ぎがスムーズになりました。また獣医さんとの会話でも、いつどの薬を使ったのかが分かるので、『今回はこの薬を使おう』といった具体的かつ前向きな話ができます。
ストーリー機能で思わぬ効果も得られました。それは『この牛がどのように育ってきたか』という経緯を営業部やお客さまに伝えられるようになったことです。
うちの牧場では、夏場は放牧、冬場は牛舎で、飼料も工夫を重ねて飼育しています。こうした1頭1頭の育て方について、ストーリー機能を使うことで、なぜこの牛はこういう育て方をしたかという説明がしやすくなり、お客様にもきちんと理解してもらえるようになりました。
「子牛と母牛の情報をスマートフォンで確認し、効率的な種付の計画を立てています」「子牛と母牛の情報をスマートフォンで確認し、効率的な種付の計画を立てています」
Farmnoteを導入したことで実感した便利な機能はほかにもあります。それは授精時の種雄牛を決定しやすくなったことです。
以前は血統ごとに種付の計画を立てたり、『この牛にはこの種雄牛を使う』と相性で決めていたりしましたが、Farmnoteでは子牛と親牛の情報を紐付けられているので、以前の出産の履歴を見て子牛の大きさや枝肉の成績を確認し、種牛を決められるようになりました。また、『この母牛は以前帝王切開をやったから、種付のあとのケアを入念にしよう』と治療の選択もできるようになりました。
ほかにもカスタムリストで去勢や移動のリストを活用することで、分娩予定の近い牛をリストアップしてすぐ移動させるなど、作業がとてもはかどります。今までは『この牛舎にはどんな牛がいるんだっけ』ということも多少はありましたが、そんなことはなくなりました。
「Farmnoteで妊娠率が向上し、非常にうれしく思っています」「Farmnoteで妊娠率が向上し、非常にうれしく思っています」
スタッフからの評価
浦臼町の本場では現在、治療班や繁殖班が中心となってFarmnoteを活用し、牛の世話に当たっています。
Farmnoteのリスト機能を使えば、体重やDG(日増体量:現在の体重を肥育した日数で割った数値で、1日当たりの増量キロ数)の平均値がすぐに出てきます。これらの数字を育成の目標値に活用したり、何か健康上の問題があるようならば数字を見比べたりと、さまざまな使い方ができます。
このように数値が見えるようになったことで、飼い方や飼料などをこれまで以上に考え、工夫を凝らしていくことができるようになりました。その効果として、妊娠率が上がったことが挙げられます。
牧場の利益は、生まれる子牛の数で大きく変わるため、子牛を生ませる回転率は非常に重要です。これまでは回転率を立案する時に受胎率を重視していましたが、今後はFarmnoteで見えるようになった妊娠率を使っていこうとしています。

神内ファーム様の取り組みについて

「和牛のうち2%しかいない希少なあか牛のよさを伝えるため、自然な環境で最高のあか牛を飼育しています」

「国内屈指の草原が広がる北海道の広大な大地で、自然に近い状態で牛を育てています」「国内屈指の草原が広がる北海道の広大な大地で、自然に近い状態で牛を育てています」

神内ファーム様の事業内容
神内ファーム21は、1997年に設立された農業生産法人です。北海道樺戸郡浦臼町の600ヘクタールに広がる農場には牛舎やマンゴー栽培、野菜工場、菜園付きコテージ、羊や乗馬用の馬などの施設が点在しています。道南エリアには黒毛和牛の繁殖肥育育成の事業も展開するなど、多角的に運営しています。そしてあか牛ならではの良さや評価基準の確立に向けて熊本県と熊本畜産連合と連携して「全日本あか毛和牛協会」を設立し、全国の生産者と共にあか牛の育成・普及に取り組んでいます。
そんな神内ファーム21が誇る製品があか毛和牛の最高峰ブランド「神内和牛あか」。このあか牛を育てているのが浦臼牧場です。
浦臼牧場のあか牛の特徴は2つあります。第一に、子育て上手というあか牛の特性を生かし、親子放牧で子牛の自然な育成を促すことです。これにより、丈夫で大きく良質な牛になります。第二に、本来草食動物である牛の健全な飼育を考え、穀類の割合が少ない粗飼料を与え、ナチュラル・ジューシー(赤身がおいしい)・ヘルシー(牛・人ともに健康)な牛を育てています。
「さまざまな試行錯誤を重ねながら、お客さまに喜ばれるあか牛を育てています」「さまざまな試行錯誤を重ねながら、お客さまに喜ばれるあか牛を育てています」
神内ファーム21様が特にこだわっていること
神内ファーム21のオーナーである神内良一は、常々「牛を自然な形で飼育したいと考えています。
冒頭で紹介したように親子放牧を進めるのも飼料を草中心にするのも、すべて『自然な状態で育てることで、より健康で良質な肉牛になる』という考えからです。
普通なら、生後一週間ほどで子牛と母牛を離してしまうと思います。それは親子双方にとって大きなストレスになるでしょう。この牧場では、自然な状態で育てることがいい牛につながると考えていますし、あか牛はもともと子育てに優れているため一緒に育てることで、人件費を抑えてより大きく健康な牛を育てられるというメリットがあります。
「黒毛和牛にはないあか牛の良さを普及するため、業界標準規格の策定にも取り組んでいます」「黒毛和牛にはないあか牛の良さを普及するため、業界標準規格の策定にも取り組んでいます」
神内ファーム21様が今、特に力を入れている取り組み
あか牛はもともと九州・四国地方に多い種で、やわらかな赤身と適度な脂肪がかもし出すうま味が特徴です。
ところが現在国内で飼育されている和牛のうち、あか牛はわずか2%ほどの2万4千頭しかいません。その理由として考えられるのは肉の格付けです。日本では霜降り肉が作りやすい黒毛和牛を中心にした格付けになっているため、現在の基準の中では、あか牛の格付けは黒毛和牛に比べると2〜3等級低くなります。そのため高額で売れる黒毛和牛の育成に注力する農家の方が多いのです。
神内ファーム21では、北海道の豊かな大地であか牛の育牛にまい進する一方、あか牛の適正な評価を確立するため、「全日本あか毛和牛協会」を設立し、肉本来のうま味が味わえるあか牛の普及に力を入れています。この考え方は高齢化社会における健康志向の高まりのなか、脂身の少ない肉を求める現代の流れにも合致していると考えています。

今後のビジョン

「あか牛飼育がさらに発展・拡大していくことを目標に、肉牛生者の方にあか牛の良さを伝えていきます」

今後Farmnoteに求める進化
Farmnoteの使い方は無限に近いので、いろいろな可能性を感じます。成績やコストの見え方についての意見要望も伝えているので、どのようにシステムに反映され、Farmnoteがどのように進化していくか楽しみにしています。
「九州や四国に多いあか牛を北海道に根ざしたやり方で育て、あか牛飼育の発展・拡大を目指します」「九州や四国に多いあか牛を北海道に根ざしたやり方で育て、あか牛飼育の発展・拡大を目指します」
今後のビジョンについて
創立者の神内が北海道での新しい農業モデルを打ち立てようとしてから、すでに10年以上が経ちました。
"克冬制夏"を理念として、北海道の広大な草資源を活用して、「神内和牛あか」を作り上げ、今や非常に多くのお客さまに支持される存在となっています。
今後は、これまで以上に多くの方々に神内ファーム21にしか育てられない良質なあか牛を味わってもらい、「おいしくて体にもよい」といってもらえるような牛肉生産を心がけるとともに、ほかの肉牛生産者にもあか牛の良さを伝えていくことを目標としています。あか牛飼育が地域に根ざしたものとなり、さらに発展・拡大していくことを願っています。

(終)

農業生産法人有限会社神内ファーム21

経営形態 肉牛一貫経営(浦臼町牧場)
規模 繁殖牛350頭、肥育牛520頭
Farmnote導入時期 2015年11月にトライアル、2016年2月から本格展開
本社所在地 北海道樺戸郡浦臼町
創業 1997年
事業内容 肉牛一貫経営、食肉加工、営業販売
従業員規模 120名 / うち浦臼牧場は8名
URL http://www.jinnaifarm21.co.jp/
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About Farmnote

株式会社ファームノートは酪農・畜産向けクラウドサービスに特化したITベンチャーです。「牧場を、手のひらに。」をビジョンに、いつでもどこでも牧場経営が出来る世界を目指しています。酪農・畜産業界の経営効率化をITで推進します。

Farmnote、ファームノートは株式会社ファームノートの登録商標です。

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株式会社ファームノート
〒080–0847 北海道帯広市公園東町1丁目3-14

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